前回の記事、
美食 ポール・ボキューズの思い出(前半)
からの続きです。
この日のディナーは、
コース料理にしようかどうかと悩みましたが、
どうしても食べてみたいお料理がいくつかあって、
どのコースを選んでも、
片方は入っているけれど、片方が入っていない・・
というパターンになってしまうため、
今回はアラカルトでお料理を注文する事にしました。
前菜には、夫共々、シェフのスペシャリテである
トリュフのスープを注文。
ポール・ボキューズ 氏を一躍有名にした、
人気のスープです。
蓋になっているサクサクのパイ生地を割ると、
中からポワーっと黒トリュフの香りが漂い、
聞きしに勝る絶品スープでした。
このお店を訪れた他の方々も綴られていましたが、
かなりボリュームのある一品です。
[Wikipediaによれば、下記のように説明されています。]
V.G.E.に捧げるトリュフのスープ( より)1975年にエリゼ宮にて
(Soupe aux truffes noires V.G.E. / Plat créé pour l'Élysée en 1975)
1975年にフランスの料理人として初めてレジオンドヌール勲章
(シュバリエ級)を受勲したポール・ボキューズが、
その際のエリゼ宮での晩餐会で、
時の大統領ヴァレリー・ジスカール・デスタンに捧げた伝説のスープ。
スープ鉢の上面に、懐石料理の「椀」のふたに見立てた
パイをかぶせて焼き上げたもので、
パイにナイフを入れた瞬間立ち上るトリュフの香りと、
パイ自身の持つ芳香が絡みあうことで独特の効果を上げた、
懐石料理をフランスで再現したものといえる。
「スープ・エリゼ」または「スープ・ヴェ・ジェ・ウ」
(V.G.E.はジスカールデスタン大統領の頭文字)とも呼ばれている。
メインにはお肉を注文したので、ワインは白から赤に変えました。
出かける前から食べたいと決めていた、
牛フィレ肉のロッシーニ ペリゴール風
(Filet de boeuf Rossini aux legumes de marche, sauce Perigueux)
別名 「トゥルヌド・ロッシーニ(Tournedos Rossini)」
をいただきました。
その名前がつけられるほど、
美食家でもあった、音楽家のロッシーニが
こよなく愛した事でも知られるお料理です。
柔らかくジューシーなお肉はもちろんですが、
このソースが、それは素晴らしかった!
私は通常、お肉(牛肉)に関しては、
日本でいただくお肉が一番好きなのですが、
このお皿はトクベツでした。
何度でも食べてみたい、素晴らしい一皿でした。
お食事が佳境に入ると、
周りがザワツキはじめました。
フレンチの重鎮、ポール・ボキューズ 氏ご本人が、
レストランに現れました!
お店を訪れた当時でも、既にご高齢だったため、
両脇をお付きの方に支えられながら、
しかし足取りはしっかりと、
テーブル一つ一つを周ってご挨拶をして下さり、
一緒に写真撮影をして下さいました。
正直なところかなり緊張してしまいました!
今回はブログへの掲載は控えましたが、
夫と共に3人で写ったポール・ボキューズ 氏の写真は、
大切な記念である共に、宝物です。
食後のチーズとデセール(デザート)はワゴンでサービスされます。
この時点で、かなりお腹が膨らんでいたので、
チーズは少なめに。
そのあとにいただく甘いもののために、
お腹のスペースを残しておかねばなりません ♪
ワゴンに乗せられたデセールの一部。
いちごのタルトとチョコレートケーキ、
そして、クレーム・ブリュレを選びました。
係の方は、慣れた手つきでワゴンの上のお菓子を切り分け、
チョチョイのチョイという感じで、
ラズベリーソースとクリームで、
お皿にデコレーションを描いて下さいました。
付け添えのアイスクリームは注文していませんが、
自動的にお皿に盛られました。
ちょっと食べ過ぎかな!?という気もしましたが、
クレーム・ブリュレを現在の形にしたのは、
ポール・ボキューズ 氏との事で、
こちらもスペシャリテなので、欲張っていただきました。
夫 Banana は、ムース・オ・ショコラをいただきました。
そのあとは、お茶菓子のプティ・フルール
チョコレートやお菓子はリヨンの前の記事、
世界にここ1店舗だけ!チョコレートの名店、ベルナション(美食の町リヨンへ 2.)
にも綴っている1953年創業のベルナションのもの。
ポール・ボキューズ氏のご令嬢と、
ベルナションの2代目 ジャン・ジャック・ベルナション
が結婚しており、
現在のベルナションは3代目が継がれているそうです。
いろんな意味での満足いっぱいでお店を後にしました。
タクシーを呼んでいただいている間に、
出口でお店のメニューを記念にいただき、
ここでも、レストランをバックに、
夫婦の写真を撮って下さいました。
いつも行けるランクのお店では決してなく、
おそらくこれが最初で最後だろうと思いますが、
ポール・ボキューズ 氏のお店でお食事をして、
ご本人にもお目にかかれた事は、
生涯忘れられない、良き思い出となりました。
数々の偉業を成し遂げられたポール・ボキューズ 氏の
ご冥福を心よりお祈り致します。
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