スイスの街角から

スイス在住 21 年目。 チューリッヒ湖のほとりに、イギリス人の夫と住んでいます。 カルチャーショックでいっぱい!実は意外だったスイスの姿と 海外生活の様子、国際結婚のお話し、 スイスの美しい景色と人々の生活風景、季節の情報など、 写真いっぱいのブログを湖畔の街よりお届けします。

小さなエコ大国・スイス

スイスの365日の生活について綴ったエッセイ、「スイスの素朴なのに優雅な暮らし365日」が、自由国民社より2024年3月に発売されました。紙書籍とあわせまして、電子書籍も発売中です。


湖畔の夏の、ユニークなアイデア!? とは・・。


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チューリッヒ湖畔の街でひときわ目立つ、

「スワロフスキー」スイス本社ビル。


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この会社の冷房システムには、 

湖畔に位置する建物、独特のアイデアを取り入れています。

そのアイデアとは、

夏になると湖から水を引いて冷却し、冷房として利用されているのです。


間もなくスイスにも暑い夏がやってきますが、

気温が上昇すると冷たい湖水をポンプで汲み上げて浄化し、

それを社内に循環させて冷房として使用。

その後は湖の平均水温に戻して、再び放流するのだそうです。


この冷却システムはチューリッヒ湖畔のみならず、

レマン湖半のいくつかのホテルや施設でも取り入れられているとの事。


チューリッヒ湖畔の町にも、

同様のエコシステムを利用している複数の企業があり、

私の夫 Banana の勤務する会社でも、

同じ方法を取り入れているそうです。


それにしても、冷房にも湖水を利用してしまうなんて、

スイスならではのユニークなアイデアと
テクノロジー!

スイスだな〜と感じるシステムの一つです。


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湖を美しく保つために・・。


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ポカポカとあったか陽気で初夏を感じさせる土曜日でしたが、

しかし今日(スイス時間の日曜日)は天気予報通りの雨の週末です。


前日の快晴がまるで嘘のように、

湖畔の街には激しい風が吹き荒れて、天気は大荒れの日曜日でした。


お天気が崩れる前に太陽をいっぱい浴びて、

自然と触れ合っておこうと散策中していた際、

毎年初夏がやってくるとよく見かける、スイスの湖畔の風景に出くわしました。

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自分の住む湖畔とは対岸の街まで足を伸ばし、散策中の土曜日の事です。

目に入ってきた光景・・。

湖の中を潜る「ダイバー」達。

このケースでは、

彼らは趣味でダイビングをしている訳ではありません。

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彼らは、The Swiss Association of Environmental and Trash Divers

  通称:”SAET” (直訳すると、スイス環境ゴミ処理ダイバース協会) 

という協会のメンバ―たちで、

スイスのゴミプロジェクトの一環として湖の中に潜り、

ボランティアで湖の清掃をしているのです!

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スイスでもダイビング人気が年々高まっているのだそうで、

ダイバー達はスイス各地の湖の中を潜る事も多いのだそうですが、

そんなダイバーたちで構成されているボアンティア団体が、

暖かくなると年に数回、国内各地の湖に潜り、

清掃作業を行っています。


スイスの湖や河川の美化と環境保護のため活動を行っている団体の

ニュースの話題は、

過去のブログ記事でも 綴っています。

ここまでやるスイス、その環境保護の方法は!?


一見美しく見えるスイス各地の湖の中に実は、

ゴミを始め、傘、空き瓶・缶、自転車まで!

信じられないような粗大ゴミまでもが投棄されているのです。


今回私が目にしたのは、

まだ春先のためか湖畔のある街での少人数のグループでしたが、

昨年はチューリッヒ市内のビュルクリプラッツ付近で、

かなり大掛かりな清掃作業が行われていた場面を目にしました。


冒頭の写真とこちらからの写真は、

昨年、チューリッヒ市内で撮影したもの。

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有志のボランティアのダイバーたちが湖畔にテントをはり、

大掛かりな清掃作業を行っていました。

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湖岸にはその清掃によって引き上げられたゴミたちをディスプレイ。

道行く人々にうったえかけるため、引き上げたゴミを並べ、

人々に何かを語っていました・・。

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もちろん私は湖にゴミを捨てた事も、何かを違法投棄した事もありませんが、

善意の団体によるこのような活動と風景を眺めていると、

私たちの愛する美しいスイスの湖を、

絶対に汚してはいけないと、あらためて心に誓う事ができます。

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この綺麗なチューリッヒ湖の湖水と景観も、

ボランティアの人々の活動が無くとも、いつも美しく保たれるよう、

人々のモラルを信じたいものです。


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近所に超エコなすごいビルがあった〜!(スイスのエコシステム)


私の住むスイス・チューリッヒ湖畔の町には、

意外や意外、世界的に話題となっている有名建築物があります。



それがこちら、


スワロフスキーの本社ビル(スイス・チューリッヒ湖畔)


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チューリッヒ湖の
東岸(ゴールド・コーストと呼ばれる湖岸)

の町に建設されたひと際目立つガラス張りのビルは、

クリスタルのメーカーとして有名な

スワロフスキーの従業員・約500人が勤務。


U字型に造られた低エネルギー建築の環境に優しいビルとして注目され、

2010年にこの地に完成。


この会社の冷暖房システムは、

湖の水を引いて加熱と冷却の両方に利用され、

2011年グリーン・グッドデザイン賞を受賞 しました。


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資料によると、

スワロフスキーの本社はオーストリアのチロルとの情報ですが、

各記事を閲覧すると、

このチューリッヒ湖畔の建物が

スワロフスキーの本社と表記されてもいます。

(スイス支社という意味合いなのかもとも思うのですが・・。)


ここがそのスワロフスキーのビルからもほど近い、我が町のチューリッヒ湖畔。

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この湖の水で、冷房も暖房も機能させるとは、

本当に素晴らしい、優れたスイスのエコシステムです。


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いずれにしても、

自宅から歩いて10分程の場所に、

総ガラス張りの、とてつも無くモダンなで大きなグラスビルが登場し、

建設の過程から興味深く見守っていたのですが、

更にはその建物が
2011年グリーン・グッドデザイン賞を受賞と耳にし、

とても驚いている地元住民のひとりです。


ちなみに転職をした我が夫 Banana の新しい勤務先も同規模のビルで、

湖畔の町にあるのですが、

そちらでも冷暖房にはチューリッヒ湖の湖水を利用しているとの事。


恐るべし、スイスのエコシステムです。


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ここまでやるスイス、その環境保護の方法は!?


スイスでは、ひとりひとりの一般市民が環境問題に真剣に取り組み、

実際に身近なところからそれに携わっている事は

以前からこのブログでもご紹介しておりましたが、


「スイス、ここまでやるのかー!!」

と感じたのが、湖を掃除するダイバーたちのニュース。

(swissinfo 英語版 1/27 現在日本語版無しを参考にさせていただきました。)

Diving for clean and rivers



スイスにはブラスバンドの演奏やツーリングなどの趣味をはじめ、

環境保護団体まで、それは多くの団体や協会があり、

それぞれが独自のスタイルで活動を行っており、その中には、

The Swiss Association of Environmental and Trash Divers

通称:”SAET” (直訳すると、スイス環境ゴミ処理ダイバース協会)

という協会が存在します。

彼らは湖へ潜り、水の中に沈んだゴミを収集し、

スイスの湖や河川の美化と環境保護に努めているのです。


そもそもの事の発端は、

昨年(その時は趣味として)湖にダイビングに来ていた17人の

男性たちがその湖底に沈む「ゴミ」、

それも多くは粗大ゴミにとても驚いたからなのだそうです。


その時彼らが湖の中で見たものは、

自転車やそのタイヤ、車のタイヤ、トラクターに冷蔵庫、

庭用のベンチからドラム缶まで!

道路にはゴミひとつ落ちていない美しいスイスの街、

美しい自然と環境の保護には誰もが努めていると信じていたはずなのに、

自然保護への責任に欠如している人々が存在する事、

そして湖の中の状況に大変なショックを受けた!


と語るのは「SAET」の代表者である

トマス・ニーデラー氏(Thomas Niederer)。

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(こんな美しい湖の中にそんな粗大ゴミが沈んでいようとは・・・。

ちなみに上記写真はイメージで、

今回のニュースの記事でゴミが拾われたのは

 "チューリッヒ湖" ではありません。




彼がダイビングを始めたのは、

ギリシアでダイビングの初心者コースを受講した2008年から。

仕事をしていない時は水の中に潜る事に熱中する彼
にとって

ダイビングは趣味以上のもの。


そしてダイビングはリラックスできる彼の大切な時間。

けれでも湖の中でひしめくゴミを目にして以来、

もはや水の中でリラックスはできず、

どうしてもそれに目をつぶる事の出来ない彼は、

実際に水の中に潜り、仲間たちとゴミ拾いを始めました。


彼らはこれを「プロジェクト」と呼んでいます。


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湖の中のゴミを

ダイバーたちが

拾い集めます!




スイスには ”約1500" もの湖があるのですが、

ニーデラー氏は、

これはまだ始まりで、20人未満のボランティア仲間たちの協力で、

各地の湖をきれいに保つことができると考えているそうですが、

またその反面、

ボランティアの数は数百名に増えてゆくだろうという

今後の可能性
にも期待しているとの事。



自然環境に強い関心を注ぎ、自然保護に力をそそいで

美しい自然と美を保つ事を常に誇りに思っているスイス人。

「湖底のゴミ拾いプロジェクト」はまだ始まったばかりで、

彼らの考える通り、

ボランティアの数は更に拡大してゆくような気がします。


7年前にスイスに住み始めた当初、

周りのスイス人たち(ここで意味するのは ”スイス・ドイツ語圏” に住む人々)

のその徹底振りに、最初は少々戸惑いを感じた事も事実なのですが、

そのシステムにも数ヶ月ですっかりと慣れ、

今では日々の当たり前の生活で身近なところから、

実は自分自身も環境保護に携わっている、スイスの住民のひとりです!



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スイスと日本、ゴミに対する意識の相違


帰省中の日本で、スイスのエコに対する意識と、

“ゴミを減らす” “正しく処理する事の意識の高さ” 

について、

普段スイスでの日常生活で当たり前にしている事が、

実は、やっぱりすごい事なのだなーと、

あらためて考えさせられました。


親戚のある事情で滞在していた福岡県の田舎町。

福岡市内とは異なり、車を持っていないとどこへ行けず、

主要道路にはバスも通っていない不便な町です。

ペーパードライバーの私は

とある田舎の駅でローカル列車を待っていました。

と、そこへ

見るからに “普通” のご婦人がやってきました。

身なりもきちんとしており、

ごくごく普通に見える50代後半から、

60代前半に見える女性です。


その方、

大きめのバッグの中からおもむろに、

これまた結構な大きな縛ったビニール袋を取り出すと、

素早く辺りを見回し、

(ちなみにその田舎の駅にいたのは、他は私だけ)

駅のゴミ箱に 「ズドン!!」

一瞬目が “点” になってしまった私・・・。

音からすると、結構重いものが入っていたようでした。

どうやら自宅から持ち寄った “家庭のゴミ” を、

公共の場である駅のゴミ箱に捨てたようなのです。


それが、そこで飲み食いした空袋だったり、

移動途中で何かを購入し、発生したゴミならばともかく、

明らかに自宅でためておいたらしき

(袋のゴミ袋をきちんと縛っていましたし)

を公共の場所に持ち寄って捨てるなどとは、

スイスでは考えられないので、ビックリしました。


以前から、

時々取り上げてきました、スイスのエコ問題。


スイスのエコ1.まずはここから、ゴミ捨て方法




以前のブログの記事を読んで下さった方々は

既にご存知かと思いますが、

スイスは環境保護やエコに対する意識の高い国で、

ゴミの捨て方・分別も非常に厳しい国です。

そして国民はそれをきちんと守る事に

それぞれが 「誇り」 を持っており、

一般的にゴミを不法投棄したり、

正しくない捨て方をする事は、まず、ありえません。


それでも中にはたまに不届き者もいるらしく、

公共の場所=

「一般家庭で排出されるゴミを捨ててはいけない場所」

のゴミ箱に

にゴミを捨ててしまう人も稀に発生するらしいのですが、

その場合の処置といえば、

ゴミの中まであさられ、

郵便物など、住所を確認できそうなものがあれば追跡され、

多大な罰金を請求されます。


以前から度々お伝えしておりますが、

私の住むスイス (ドイツ語圏) では

お互いが信頼関係で成り立っている部分が “大” なので、

その信頼関係を裏切った場合の制裁は大きいのです。


話しを日本に戻して、

日本もゴミの捨て方が年々厳しくなっていると聞きますし、

ほとんどの人たちの意識レベルは高いのだと思います。


ただ、

日本で問題になっている、

山中などへのゴミの不法投棄などは

“特別な人たち” がやっているのだろうと考えていたのが、

外見がきちんとしているように見える人の、

ごく身近な場所で、普通に行うそのような行動を見て、


「内面は判らないものなのだなー。」


と、感じてしまいました。


この件を友人に話すと、

最大の理由はゴミ捨ても以前に比べ、

“お金がかかる” のが理由で、

友人が買い物をするスーパーでも

レジでの会計後に剥がせるパックはすべて剥がして、

スーパーのゴミ箱に捨てて帰る人を目撃した事があるそうなので、

やはり、節約のためなのでしょうか・・・。


かと思えば、

ボランティアで、近隣住民の方々が地域や付近の海(浜辺)の

ゴミ広いに参加されているというお話しもよく耳にしますし、

意識レベルの問題なのだろうと思います。

でも、

ゴミを拾われるボランティアの方々がいらっしゃる

という事は、

“ゴミを平気で捨てて行く人” もいる

という事が悲しい事実なのでしょうが・・・。


喜ばしい事に私の友人は、

「そんなオバサンにだけは絶対になりたくない!」

と申しておりますので、日本の未来を感じます。


ふと気づいた事は、

私の個人的な意見ではありますが、

日本では、

「エコ、エコ」 と、言葉だけが先走りながらも、


1.本当にゴミを減らす努力をしている、エコ意識のある人

2.家計の節約をするためにゴミを減らしたい人

3.または、全くエコなど意識のない人??


に大きく分かれているような気が致します。


ここがほぼ100パーセント、環境を保護するために、


『無駄なゴミは減らしたい』 

『スイスの自慢の、美しい景観を守り続けたい』


そして、

「まずは身近で、できる事から・・・」


と、常日頃から考えているスイスの人々とは

大きく異なる点であるような気もします。


ちなみにスイスでは、

ボランティアが集まってゴミ拾いという事はありませんが、

(基本的に町にはゴミが落ちていないので・・・)

道行く人が足を止めて、

たまに他の人が落としたゴミや、

落ちているゴミを拾って

くずかごに入れるのよく見かけるのですが、

大人でも、

国のシンボルでもある、

エーデルワイスの絵柄の帽子を普通にかぶっていたり、

スイスの国旗の絵柄の Tーシャツ を着たり、

国旗がプリントされたバックを下げて歩く・・・

そんな人たちが “ひょい” とゴミを拾い、

くずかご入れる姿を見かけると、

愛国心の強い、

『スイスならではの光景なのだなー。』 と、

感じたりもするのです。



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(スイスには、ドイツ語・フランス語・イタリア語の他、
ロマンシュ語を話す地域も有り、
各地域により、文化や生活習慣が異なる場合もありますので、
上記の記事はあくまでも、スイス・ドイツ語圏での生活体験
という事でご理解をいただけますよう、よろしくお願い致します。)


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数あるブログの中から、 私のブログへお立寄りくださりありがとうございます。 スイス・チューリッヒ州の湖畔の街で、 英国人の夫 "Banana(バナナ)"と共に暮らす "Apfel(アプフェル)"です。 ブログ「スイスの街角から」では、 美しいスイスの自然と風景、人々の暮らしの様子や旬の話題、 そして観光情報なども写真と共にお送り致します。 ちょっとヒミツの知られざるスイスの姿や、 海外生活でのカルチャーショックなどにつきましても 折に触れてお伝えして参りたいと思いますので、 しばしの間、おつきあい下さいませ。
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