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(ミュンヘンからチューリッヒへ向かう機内よりの風景。真ん中に流れるのはライン川)

日本からドイツ(ミュンヘン空港)を経由して

スイス(チューリッヒ空港)へ戻る便の機内で、

ちょっと驚く光景を目にしました。


搭乗した飛行機は、

前回の記事にも綴った Helvetic Airways。

ルフトハンザドイツ航空の傘下のため、

LHの便名が付いていますが、

Helvetic Airways自体は

スイス チューリッヒに拠点を置く会社です。

従い、機体はスイスの国旗をイメージする

赤と白が基調で、

クロスのマークが描かれています。

客室乗務員もほとんどがスイス人。


飛行機がミュンヘン空港を離陸する前、

乗客がほぼ全員席についたところで、

30代くらいのキャリアウーマンに見える

一人の女性が最後の乗客として搭乗して来ました。

すらりと背が高く、スタイルの良いその女性は、

かなりの美人です。

彼女の座席は、

ビジネスクラスとのちょうど境目。

エコノミークラスの右側、

エコノミー最前列の窓側のようでした。


この機材の座席の配置は、

通路を挟んでそれぞれ、

左側に2席と右側に3席。

エコノミークラスは一つの列が5席となりますが、

ビジネスクラスの場合は

隣の席は1席が空席を確保されており、

2席の列には一人、

3席の列は真ん中を空席にして、

窓側と通路側にそれぞれ一人ずつ、二人で着席。

シートは横に5席並んでいますが、

使用するのは、

それぞれの列で3席という事になります。


欧州内の飛行機は、

ビジネスクラスとエコノミークラスでは、

座席の大きさは全く同じで、

このようにしてクラス間の座席を

差別化している事があります。

機内サービスは、各クラスで異なります。


私は通常、

欧州内の移動はエコノミークラスを利用していますが、

この日は日本からの乗り継ぎでこの便を利用しており、

スイスー日本の往復として

通し運賃でビジネスの航空券を購入していたため、

この路線でもビジネスクラスの座席でした。


この日は前方から4列目までが

ビジネスクラスで、私の席は3-A。

左側の窓側で、

隣は空席が確保された2席並びのシートです。


この日は私の後ろの4のシートは、

左右ともに空席でしたが、

その後方のエコノミークラスは、

ほぼ満席のようでした。


さて、ここまでの状況をふまえて、

キャリアウーマンの女性が搭乗してきた場面に戻ります。

彼女の席は5列目の3席並びの窓側、

5ーEです。


彼女は自分の席の左隣に、

既に二人の乗客が着席をしているのと、

その前列の座席(4CDE = ビジネスクラス)

が3席空席なのを目にして、

客室乗務員に、


「座席が窮屈なので、前の席に移りたい」


と申し出ました。


私の席のすぐ背後で行われている会話なので、

なんとなく視界にも入るし、

会話の内容も耳に入ってきます。


ドイツからスイスへのフライトで、

ドイツ語での会話だったのですが、

乗務員との会話のやり取りを聞いていると、

二人ともスイス人のようでした。

金曜日の夕刻のフライトです。

おそらくドイツでの仕事を済ませ、

スイスへ戻るところだったのだと思います。


乗務員の女性はとても若く、

"可愛らしい女の子"

というイメージの、

20代前半にも見える女性でした。


彼女はキャリアウーマンの女性に対して、

とても丁寧に、


「この座席はビジネスクラスなんです。

なので、申し訳ありませんが、

席を移っていただくことはできません。」

と答えました。


ここでそのキャリアウーマンが、


「ああ、そうなのね。ワカリマシタ。」


とすんなり引き下がれば、特に彼女に

強い印象を抱く事は無かったのですが、

キャリアウーマンはそれでは引き下がらず、


「だって、空いてるじゃないの。

なぜ、ダメなの?

私の席は隣に大きな人が座っていて窮屈だし、

私、とても疲れているのよ。

前の座席に座らせてちょうだい。」


と、語気を荒め、食い下がらず・・。


日本ではおそらく考えられない状況に、

その時の私の心境は、


・ ヨーロッパに着いた途端、これか〜。

自分はもはや日本にはいないんだなぁ。


・ 彼女が座る予定の隣の座席の人も、

なんだかあんな言われ方をして気の毒。


・それにしても、なんて自己中心的で、

ワガママな女性なのだろう。


と、一瞬のうちにいろいろな感情が、

頭の中をグルグルと駆け巡りました。


金曜日の夕刻の便で

その便に搭乗していた乗客のほとんどが

仕事を終えたばかりに見受けられたし、

エコノミー席にも、

スーツを着用しているビジネスマンも

多く乗っていました。

疲れているのはみんな同じなのに。


客室乗務員の彼女は、それでも、

相手が心地よく感じる程度の笑顔のままで、

とても丁寧に、


「それを承る事はできません。」

"leider nicht" という言葉を繰り返しました。


流石にこれはもう無理だと判断したらしい

女性は諦めて、

かなりブスッとしながらも、

自分の指定位置である窓側の席に着席して、

一件落着。


もしもあれ以上、あの女性がゴネていたら!?

と想像すると、コワーイ。

やっぱりスイスの女性は強いなぁ〜。

と、帰国早々に怖じけづいてしまった私です。


まあ、考えてみると、

これをたまたま今回目にした機内から、

普段の自分のスイスでの日常生活においての

環境へとスイッチしてみると、

こんな光景は、

よく見慣れているような気はするのですが(苦笑)


自分が直接関わっていないコトなのに、

ドキドキさせられたり、

不安な気持ちに陥ってしまう事の多い、

外国人としての、

私のスイスのでの海外生活。

何年住んでみても、ここは自分にとって、

やっぱりガイコクです。


それにしても、

毅然と、とても丁寧に対応した、

Helvetic Airways の乗務員の女性は、

本当に立派でした。

若いCAさんに、大拍手!!


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