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英国滞在4日目の夜です。

今回の英国訪問の大きな目的は、

夫 Bananaの亡き母が住む街を訪問するためで、

お楽しみのロンドンは2泊だけ。


ロンドン各所のクリスマス前の美しいイルミネーションや、

新しく開拓した和食フュージョンのレストランについてなど、

ロンドンの最新情報については、

スイスへ戻ってゆっくりと写真を整理した後に綴る事にします。


現在、バース郊外のコッツウォルズの村々にほど近い、

かつては義母(Bananaの母)が住んでいた街の、

小さなホテルに滞在中です。


今も義理の妹(Bananaの妹)家族が住むこの街にやってきた

大きな理由は、

今年4月に85歳で他界した義母の遺品の整理をするためと、

彼女が住んでいたマンション(フラット)が売れた事により、

部屋の大掃除と遺品の形見分けをする事が大きな目的です。


昨日はロンドンから移動した後、

かつて義母が一人暮らしをしていたフラットへ直行。

部屋の中のほとんどは、

近くに住む義理の妹夫婦が彼らの空き時間を利用して数ヶ月かけ、

綺麗に片付けや、家具や電化商品等、

大きな品物の所分ををしてくれており、

私達夫婦が手伝ったのは、

義母が日常用品として使用していた

キッチン周りの備品などの片付け、

地元のアーティストとして活躍していた

彼女の生きた証のひとつともいえる、数々の水彩画の作品の仕分けなどです。


この絵を整理する作業に、

思いがけず、てこずってしまいました。

ほとんどの作品はフレームに入れたまま保存されていたため、

これを一つ一つ外し、

まずはBananaが保存しておきたい絵を選択して、

(義理の妹夫婦は絵画に一切興味なし)

他の作品は、

中だけ取り出してどこかへ寄付をする予定です。


数十点ある作品のフレームは外してゴミ処理場へと運んだのですが、

数があったため、重量もあり、

大きな作業となりました。


とは言え、

義母が他界して以来、

義理の妹夫婦がコツコツを片付けを進めてくれていたのですから、

私も出来る限りの手伝いはしたいと思い、

自分の出来る範囲で頑張りました。


絵の他は、義理の妹とBananaが母の思い出として

キープしておきたいもの以外の日用品は、

どこかへ寄付するか、

チャリティバザーなどに出せそうなものを除き、

その他はすべて廃棄せねばなりません。

悲しい事ですが、一部を除き、

遺品のすべてを残しておけない事が現実です。


一日かけて整理をして、

ゴミ袋何十個だったのか?

日常生活で使用していた陶器類なども含め、

2台の車で、すべてをゴミ処理場へと運びました。


英国には、なんでも廃棄できる持ち込み用の

「無料」ゴミ捨て場のような施設があり、

その敷地の中でごみを分別して廃棄できるシステムになっています。


義母が所持していたいくつかの品は、

前回に続き、今回もスイスへ持ち帰る予定です。


今日は義母の自宅に保管されていた、

アルバムと写真の整理で一日を費やしました。


残されていた写真の中には、

義母の父(Bananaの祖父)が、

第一次世界大戦に出かける前に撮影した軍服姿の写真や、

義母の母(Bananaの祖母)の写真、

私が会う事のできなかった義父の(Bananaの父)の写真など、

数々の写真が残されており、

まるでタイムスリップしたかのよう。


何よりも驚いたのが、

義母の若かった頃の写真です。

16歳の頃、友人と共にはつらつとした姿で微笑んでいるものや、

義父との結婚式の写真、

結婚してBananaと妹が生まれ、

休暇先で幸せに満ちあふれた躍動的な写真もたくさん残っていました。


一番驚かされたのは、写真の中の義母のそれは美しい事!

私が知っている老人の義母の姿はそこにはなく、

手足の長い、スラリとした細身の体型で、

まるでモデルのようにポーズを決めている若き日のビキニ姿の写真や、

ロンドンの高級ホテルに宿泊し、

ドレスアップして、エレガントでとても美しい姿、

妻として、母として愛され、

幸せに満ちあふれていた若き日の義母の姿がそこにはありました。


私がBananaと出会った頃には既に他界し、

会う事が叶わなかった義父は、

写真撮影はかなりの腕前だったようです。

今でこそ、デジタル化し、

気に入らない写真は何度でも撮り直しの出来る時代ですが、

当時はそんな時代ではなく、

すべてはフィルムの写真であるにも関わらず、

被写体(家族)がとても自然体で、

妻も子供達も、とても活き活きとした、

素晴らしい写真が残されている事、

写っている妻や子供達は、

撮影した夫(父親)をとても信頼し、

写した側の夫(父親)は、包み込むような愛情豊かな気持ちで

撮影した事が、

会った事のない自分にも、すべての写真からとても伝わってきて、

とても感銘を受けました。


これは自分自身の家族についても言える事ですが、

私達が亡くなった家族を忘れない限り、

故人はいつまでも自分の心の中で生きている・・。

と、あらためて感じさせられました。


そして、なんとなくなのですが、

今日、写真を見ながら、

Bananaと妹が、

若き日の彼らの両親の姿や、

自分達が子供だった頃を思い出し、

しばしの間、思い出にふけった事は、

何よりの故人の供養になった事だろうと思います。

きっと天国のBananaの両親も、喜んでいるに違いないと、

ちょっとしんみりとした気持ちになりつつも、

義母が私に、


「どーお、私の若き日の姿、

私はいつもおばあちゃんだったワケじゃないのよ。

こんなに綺麗だったの。

夫や家族に愛され、幸せに満ちあふれていたの。

私の若かった頃の姿も、記憶に焼き付けておいてね・・。」


と、語りかけているようで、

残された家族にとっても、自分にとっても、

いろんな意味で、とてもよい1日となりました。


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