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この記事がブログにアップされる頃、私は既にハンブルクにいます。

時間をかけて準備を重ねて来た友人の結婚式もいよいよです。


実はこの結婚式では、友人たちの門出を祝うとともに、

私の中ではある汚名を返上せねばなりません。

その理由は・・・。


さかのぼる事、スイスからの参列者が交流のため初顔合わせをした、

結婚を控えたカップルの家で行われたバーベキューパーティでの出来事です。


私の夫は国際的な会社に勤務しているため、

世界中のいろんな国々の様々な人種の方々に出会う機会があります。

スイスに住んでからも、

それが会社が主催のパーティであったり、

勤務先のレクレーションのファミリーデーであったり、

夫の趣味であるゴルフのコンペであったり、

妻を同伴して出かけるちょっとかしこまったディナーであったり、

いろいろです。


頻度としては少ない、かしこまったディナー以外の場では、

人々は至ってカジュアルな事も多く、

初対面で実際に自己紹介となると、いつか学校で教わった英語のような、


『My name is Apfel.』


とか、


ドイツ語でならば、


『Ich heisse Apfel.』
 

とか、

教科書に載っているような自己紹介の仕方はほとんどお目にかかった事はなく、


『Hello, I'm Apfel』


なんて言うとかなり丁寧な方で、

通常は(特にスイスやドイツ人からは)大体名前だけで、

ニッコリ微笑みながら、

 "ファーストネームだけ" を名乗られる事も多々あります。


先日のバーベキューではその背景をうっかりと忘れていた私・・。

招待主のカップルのお宅に到着した際、

私達は一番先に到着したゲストで、

彼と彼女とは親しい間柄であり、

当然お互いに今更自己紹介をするハズもないのですが、

2番目のゲストが到着したその時、

私を見て、ニッコリと微笑むその女性、

私に向かって、


「サワッディ カー」


と挨拶をした(とその時は思った)ので、

私はその一瞬のうちに、

彼女は私がアジア人であるがために区別がつかず、

タイ人であると勘違いしている、

ここははっきりと自分の日本人としての

アイデンティティをはっきりとさせねば・・。

との思いから、

自分はタイ人ではありませんの意味を込め、


私は日本人です。」


と、ある意味堂々とした英語で答えたのですが、


相手のドイツ人の彼女は少し怪訝な表情で、

そして少し戸惑った様子で、


「それはとても興味深い、素晴らしい。」


と英語で返答。


私はどう見てもイヤミではなく、

その後も親しげに英語で話しかけてくる彼女と普通に会話を始めたのですが、

次に到着したゲスト、

白人の女性(スイス人)に対しても、

そのドイツ人の彼女はまた、


「サワッディ カー」


と挨拶・・。(したと思いました。)


でもここで感じた大きな不安、


「おかしい・・。」


「絶対におかしい!!」


自分が何か大きな間違いを冒しているような気がして、

このタイ語で女性に対しての「こんにちは」の挨拶の意味のある、

"サワッディ カー" 

に似たドイツ語か英語の言葉を

頭の中をグルグル思いめぐらしながら考えてはみるものの、

どうも思い浮かびません。


そこで「ハッ」と気づいた事、

こういうカジュアルな場では、


「私の名前は~」


なんて部分は省略して、

ファーストネームの 名前だけ を名乗るコト。


恐る恐るドイツ人の彼女の名前をもう一度教えていただけるよう、

確認してみたところ彼女は、


「ウーリカ よ~。ドイツでもちょっと珍しい名前なの・・。」


なんと私は、彼女が 「ウーリカ」と名乗ったのが、

なぜだか 『サワッディ カー』  に聞こえてしまい、


「ウーリカ です。 」


と笑顔で自己紹介した初対面の彼女に、

私は自分の名も名乗らず、


「私は日本人です。」


なんて超おばかな事を言ってしまったのです!


文字にしてみると、


"サワッディー"   と  "ウーリ"


は全く異なるのですが、

彼女の発音の "ウーリ" の部分が弱く、はっきりと聞き取れなかった事と、

なんだか馴染みもある、そして、"カー"↗ の部分を強く発音する

"サワッディー カー"  に
イントネーションがとても似ていて、

そう
聞こえてしまったようなのです。

その後も彼女が自己紹介しているのを耳にすると、

もはや分かっていても、やはりそう聞こてしまいます(苦笑)


夫の顔に泥をぬってしまう事になってしまったのではないかと

我ながらのおっちょこちょいなリアクションに

ショックと恥ずかしさでいっぱいになった私は夫をキッチンの隅に呼び出し、

事のイキサツを説明。


夫は、


「ククククッ・・」 


と失笑するも、


「いやー、キミがいきなり初対面の人に

 "私は日本人です"  なんて、

強く主張するのは珍しいなーと思っていたんだよ~。」


との事・・。


会話も進んでしまった今、

ここで今更、


「あの~、先ほどは聞き違えてしまって、

勘違いをしたんです、ゴメンナサイ!」



なんて正すのも尚更恥ずかしいし、

もうその後はバーベキューどころではなく、

別の会話を通じて、自分が "おばかでは無い" 事を証明するための、

ハードな時間へと変わったのでした。


ドイツ人の彼女はその後も私に、

とても親しげに日本の事などをいろいろと質問をしてくれ、

(そりゃそうですよね~。私は自分の名前も自己紹介せず、

いきなり "私は日本人です" なんて言ってしまったのですもの。)


海外に長く住んでいると、

日本人としての誇りやアイデンティティを

しっかりと持って生きようとするあまり、

時にはこんなカラマワリをしてしまう事も・・。

(これは私の場合ですが・・。)


とりあえずは非常識人間ではない事は

分かってもらえた様子ではありますが、

今回の挙式では、

その後のパーティ(披露宴)も夜通し行われ、

更に参加者たちとの交流の場は広がりそうです。

前回の汚名挽回のためにも、

今回は日本人女性は聡明だと思っていただけるよう、

違った意味の日本代表を頑張ってみようと心に誓いました~。



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