以前、スイスの医療費と医療保険については

少しお話し致しましたが、

(医療保険に関する過去の記事)

やっぱり高い!スイスの医療保険と医療費


今回はスイスの病院と、

この国での自らの入院体験について記してみようと思います。


スイスでは病院に行く場合、

ファミリードクターのような個人経営のクリニックと、

「州立病院」 等の公的なもの、

そして 「プライベート・ホスピタル」 等、私立のもの、

その他、大学病院等があります。

(日本と似ていると思います。)


ただ、日本と異なる点は、

通える病院は

“加入している保健のランクによって異なる”

ので、

医療にも 『スイスの中での格差』 が生じます。


以前、スイスの医療保険については既にお話しましたが、

以下はスイスにおいて、
外国人夫婦である我が家の場合の、

海外生活での体験です。


スイスの医療保険に関し、おさらいを致しますと、

高い医療保険に契約し、月々高い保険料を支払えば、

自分の希望するグレードの高い病院

(例えば、プライベート・ホスピタル等)

で治療が受けられ、また入院が必要な場合にも、

加入している保健のランクにより、

プライベート (個室) ・セミプライベート (2名一室) 等に

入室可能で優遇されます。


通常の平均レベルの保健では、

公立や州立病院で治療が受けられ、

入院が必要な場合、4人~6人部屋に入るのが普通のようです。


我が家の場合、

海外暮らしの “外国人同士 (夫:英国人、私:日本人)”

という事もあり、

医療保健に関しては重視し、

月々かなり高額な保健料を支払っている事により、

病院に関しては “公・私立” いずれでも、どのランクでも選べ、

入院に関しても、

規定の追加料金を支払えば、

『病室に空室がある場合、個室に入院できる』

という契約内容の保険に加入しています。


4年程前、バーゼルに住んでいた頃、

定期検診で私の体内の一部にポリープが見つかり、

経過観察をしてみても可能な程度のものではあったのですが、

(医学に詳しい友人によると、日本の病院であればおそらく経過観察)

「手術をして、切除しておいた方がよい」

というスイス人医師の勧めで、

大学病院にて、切除手術を受けました。


3日間入院し、幸運な事に個室に入れたため、

表現の仕方は少し奇妙ですが、“快適な滞在” でした。


とはいえ、

過去に日本でも手術を経験した事の無かった私にとって、

海外での初めての入院・手術の体験は、とても不安でした。


スイスの病院の病室には相部屋でも、

各ベッドに専用の電話が付いているところも多く有ります。


私の入院した “個室” には、電話の他、

専用のトイレ&シャワー、テレビ、ソファーなどが完備されており、

もしかしたら、

日本の特別室をイメージされるかもしれませんが、

加入している保健の種類により、個室は意外と簡単に利用でき、

日本ほど特別な印象ではありません。


同じ病棟には、

かなり深刻な病状で入院をされている患者さんもいましたが、

私の場合、幸いな事に緊急を要する状況ではなく、

事前に予定日を決めての入院で、

食事に関しても胃腸には全く問題は無かったため、

入院中の病院食は 

「設置されているメニュー」 から選べるという、

ホテルのような状況でした。

(日本でも食事制限の特に必要ない場合、

このような待遇もあるとは思いますが・・・。)


ドリンク・メニューには、

ワイン等のアルコールも含まれていた事には驚きました。

そして食事に関し、驚いた事がもう一つ。

手術前日、

一度会社を抜けて、

様子を見に顔を出してくれた夫を見かけた看護師の女性が、



「ご主人は後からまた寄られるの?」


と、私に問いかけ、私は、


「はい、仕事が終わってからまた来ます。」


と、答えたところ、



「じゃあ、夕食はどうする?

もしもご主人と一緒に出かけたいなら、

夜9時までに戻って来てくれれば大丈夫よ。」


と言うのです。


なんと彼女は、“手術前日” の私に、病院食ではなく、

希望であれば、

病院の外のレストランで食事をしてきてもよいというのです。


ワインも、グラス1杯ならOKと言われ、

1時間後に仕事を終え、戻って来た夫と共に、

病院近くのイタリアン・レストランで食事を済ませ、

ワインの助けもあり!?

すっかりリラックス出来た私は、不安な気持ちも何のその、

朝まで熟睡しました。(苦笑)


手術が終わり、後から聞いた話しによると、

上記一旦入院した後に外出をした場合は自己責任となり、

万一外出中に事故などに遭った場合、保険が効かないので、

本当は、外出はダメなのだそうです!

(よく考えれば当たり前!)


何故ゆえ、病院側の看護師である彼女が私に、

外出を勧めるような発言をしたのかはいまだに不明ですが、

リラックスをしたいと、患者の方からそう申し出をする人も

いるから?? なのかもしれません。


そして翌日、手術は無事に終了し、

2泊3日の入院で無事に退院する事が出来ました。


日本で医療に携わっている友人いわく、

日本だとおそらく、

最低でも1週間くらいは入院しなければならない状況だろう

という事でしたが、
こちらでは術後、

特に問題がなくその夜の経過がよければ翌日は退院。


もちろん、

深刻な手術の場合そうは行かないとは思いますが、

私のようにほぼ、予防で行った手術に関しては、

なんだかあっさりとしたものでした。


とはいえ、局部麻酔で終始意識はあったものの、

麻酔から完全に醒めるのに時間を要し、

術後のリカバリールーム (回復室) で

3時間近く過ごさねばならず、本当に不安な思いをしました。


しかも、手術のため腰の辺りから脊椎注射した、

局部麻酔のあとの痛みが数ヶ月は完全には治まらず、

大学病院だったため、

どうやらインターンらしき若い医師が、

教育係らしき医師の下で注射をしたのですが、 

針がうまく入らず、4回も太い針を入れられ、

とっても、とっても痛かったのです!

その複数の針が刺さった跡は、数ヶ月は消えませんでした。


ですが、スイスの医療水準と医療技術はとても高く、

手術した箇所は術後の痛みもなく、

いち早く快復し、すべてが予定通りに整いました。


以前、夫がスイスで手術を受けた際も同様で、

メスを入れて開腹した傷の傷跡も全く残っておらず、

縫合も高度な技術です!

(スイスで帝王切開のお産をした友人も、

「今でもビキニを着られる!」  と、同じような事を言っていました。)


現在は元気に過ごしている日々ではありますが、

健康である事のありがたさを、つくづくと感じている毎日です。



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