今日は暖かい、というよりも、

初夏に近い汗ばむ気候のチューリッヒ郊外の1日でした。


自宅から見渡す湖の景色は

少しづつ落ち着きを取り戻してはいるものの、

夕暮れ時はいまだアイスランド火山噴火後の

火山灰と噴煙が上空に滞っている影響で、

いつもの風景とはいまだ異なった雰囲気。

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ところで、

夏が近づくこの季節、

毎年思い出す、スイスに住んで1年目の頃の思い出・・・。


私の住んでいるスイスの地方(チューリッヒ州)は、

ドイツ語圏で、ドイツ語を話します。


そしてスイスでは、

「スイス・ジャーマン」 (Schweiz Deutsch) という

TVや映画で会話されているドイツ語とは

“別” のドイツ語が話されており、

このブログをスイス国外で読んで下さっている方のために

補足をいたしますと、

ドイツで使われている標準のドイツ語、

「ハイ・ジャ-マン」(hoch Deutsch = High German)

とは全く異なります。


私が学校で勉強したのはもちろん、

世界共通で通用する標準のドイツ語 

“Hoch Deutsch”
(=ハイジャーマン)です。


簡単にいえば、

「スイス・ジャ-マン」は世界中で、

“スイスのドイツ語圏でしか通じません。”

同じドイツ語とはいえ、ドイツ人やオーストリア人からすると、

何ともこの不可解な言語は、同じドイツ語を話す人でさえ、

理解できないのだそうです。

夫のドイツ人の同僚の方々とお会いする機会がある時、

必ず話題に上るのがこの、

「スイスのドイツ語、ナニ 言っているかワカラナイ!」

という話題。 


スイスに住み始めの頃、

「ハイ・ジャーマン」 は東京で使われる標準語で、

「スイス・ジャ-マン」 は強いアクセントの大阪の訛りのようなも

の・・・

と、日本人の知人から聞いたのですが、

まあこれは極端な表現であるとしても、

住み慣れてみると、

アクセントや語尾が違うなどと言うそんなに簡単なものでは無く、

多くの単語を 「全く違う音」 で発音するため、とも厄介です。



例えば、“das Eis (氷)”は、

「ハイ・ジャ-マン (ドイツ)」 だと “アイス” ですが、

「スイス・ジャーマン」 だと、“イース” と発音するようです。
           ↑ 
(少なくとも、バーゼルとチューリッヒ地区では。)

 

“der Schnee (雪)”は、

「ハイ・ジャ-マン」だと “シュネー” ですが、

スイスでは、“ シュニー” です。


これらはほんの一例ですが、

春から夏になる季節には、いまだに必ず思い出す記憶。

スイスに住み始めの7年前、

夏にアイス・コーヒーを注文しようと、

その当時住んでいた町・バーゼルのカフェで、


ichi name

「Einen Eiskaffee bitte ! 」

 (アイネン・アイスカフェー・ビッテ!)

「アイスコーヒーを一杯お願いします」

と注文したところ、何度繰り返しても理解してもらえず、


そばにいた友人が発した言葉、

「アイスってもしかして、イース じゃないの?

前にテレビで、イースホッケー って言っていたよ!」


イ-スホッケーとは、もちろん  『アイスホッケー』 の事です。

で、

「イースコーヒー」 と言いなおしてみたところ、

「ああ、イースコーヒーね!」 と言われ、

それ以来私は、

「そうかー、アイスコーヒーの事をドイツ語では、

“イースコーヒー”って言うんだー」

と信じ込み、

オーストリアに旅行した際、今度は決して間違うまいと、

「アイネン “イースコーヒー” ビッテ!」

と自信たっぷりに注文したところ、

ブロンドで青い目の美しいウェイトレスさんに

「何? 理解できない!」 と冷たく返されてしまい、

その時は一緒にいた夫が、

「アイスカフェー」 (=アイスコーヒー)

と言いなおしてくれたため大丈夫でしたが、

とんだ赤恥をかいてしまうはめに・・・。


ウェイトレスの女性からすれば、

日本人の私がスイス訛りのドイツ語を話した事に

驚いたのでしょう。


その後彼女は、

“この訛ったアジア人と話してもラチがあかない” と思ったらしく、

私には完全シカト状態で、夫にだけ話しかけ・・・。

結構傷ついてしまいました。


まあ、今となっては笑い話なのですが、

日々の生活でこのような事態が多々発生してしまうため、

こちらが文法的に正しいドイツ語を話しても、

相手によっては、正しい文法・単語のドイツ語を

理解出来ないというケースもあり、

意思の疎通が容易で無い事も有ります。


一定の教育水準をクリアーしているスイス人は、

「ハイジャーマン」 を理解し話せるけれど、

(現在、ほとんどの学校では、

「ハイジャーマン」 で授業が行われるそうです。)


地方の村では、学校の授業そのものも

「スイスジャーマン」 で行われるところもまだまだあるらしく、

実際問題として、

本来のドイツ語であるはずの、

「ハイジャーマン」 を話せない(=理解出来ない)

スイス人が存在するという点が、

私や夫を含む“外国人”にとっては何とも難しい事。


スイスに長く住む日本人妻の先輩方の中には、


1. 「すみませんが、
  
    ハイジャーマン(=Hochdeutsch・本来のドイツ語)

    で話してくださいと言えば、話してくださるわよ-。」


と言う意見と、


2.「そーんなの逆効果。高飛車だと思われて、

  逆にイジワルされちゃうわよ!」


と全くの反対意見も・・・。



この先も夫の海外転勤の可能性もあり、

しかも英国人・日本人のカップルである私たち。

スイスに一生住むかどうかは全く未定である私にとって、

あまり 「スイスジャーマン」 にどっぷりと漬かりたくはないけれど、

ここで長く生活するには、それなりに慣れなければならず、

このドイツ語バトルはどうやらこの先も続きそうです。


はーっ、スイス人もみんな、

ドイツと同じ、「ハイジャーマン」 を勉強してくれるとよいのに・・・。

と思ったりしてしまうのです。


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