私がスイスに住み始めた頃、
スイスが環境保護をとても重視し、
人々がそれについて真剣に考え、
二酸化炭素排出の減少や、リサイクルに取り組んでいる事に
とても感銘を受けました。
今でこそ日本にも「エコブーム」 到来? で、
現実の問題として取り組まれているようですが、
私が6年半前にスイスに旅立つ頃は、
日本でエコ・バッグを持ち歩いている人は
ほぼいませんでしたし、
スーパーやコンビニにて購入した商品を
ナイロン袋に入れていただく事も当たり前でした。
昨年、日本に帰省した際、スーパーで買い物をしていた時、
「袋は要らないですよ」 と言われる主婦の方々をお見かけし、
ここ数年で日本も変わったなーと、
海外から日本に戻る度に、
この大きな変化にとても驚いています。
スイスはというと、このエコ問題について、
長年に渡りみんなで協力し合っています。
例えば、
私がスイスに住み始めた頃から、
エコ・バッグはあたりまえの事で、みんな持ち歩いていました。
もちろんスイスでも、
スーパーのレジには有料で紙袋が売られていますので、
購入して使用する事も可能ですし、
私もチューリッヒの街に出た際には、
デパートで紙袋を購入したりもするのですが、
通常、地元のスーパーなどに買い物に出かける際、
私も含めスイスに住んでいる主婦はほぼみーんな、
エコ・バッグを持参して出かけます。
スイスに来て間もない頃、
一番驚いたのが、ゴミの捨て方。
通常のゴミは週に1〜2回、(自治体により異なります)
ごみ回収車が回収して行ってくれるのは日本と同様なのですが、
スイスでは、“普通のゴミ” でも、
ゴミを捨てる事は有料なため、
「有料ステッカー」をゴミ袋に貼って捨てなければなりません。
これはスイス国内でも、
住んでいる「州」(=カントン) によって異なり、
1. 規定のゴミ袋にステッカーを貼る町と、
2. ゴミ袋自体に金額が加算されている町があり、
現在私の住んでいる、チューリッヒ州の町は 1、
以前に住んでいた、バーゼル州の町は 2 でした。
この “シール(ステッカー)” は、各町のスーパーや郵便局、
役所などでも売られています。
1シートに10枚のシールで、
各ゴミ袋1袋(35mlの場合)ごとにシールを1枚。
12枚で約19フラン(¥1600)前後なので、
一回ゴミ袋捨てるにあたり、
日本円で、約130円ほどを支払う計算。
各家庭のゴミの量により、シールの枚数も変わり、
それなりに支払うという事です。
これがそのシール。
各町により異なりますが、
こちらは
私の住んでいる町で
使用しているもの。
我が家は大体、
35ml のゴミ袋に1週間で1ー2枚程度で済みますが、
家族の人数が多く、ゴミの量も多ければ、
その分多く支払わなければならないという、
とてもスイスらしい方式です。
その他、瓶、缶、ペットボトル、雑誌・新聞、
その他のカートンなどの紙類の再利用可能なものは、
すべて廃棄の仕方が異なります。
「雑誌・新聞」類と、
ティシュペーパーの箱やシリアルの箱、ダンボール類などの
「カートン」や、その他の厚紙は
それぞれ別の日に回収に来るので、
(これらは “リサイクル” できるので、無料で回収)
毎月きちんと、回収日の予定を把握しておく必要があります。
この写真はリサイクル用のゴミのためのカレンダー で、
年末になると、毎年役所から各自宅に配られます。
毎月、
回収日が
異なるため、
チェックが必要!
(昨日 ↑ 2月6日は新聞・雑誌の収集日。
上記の絵のように、きちんと紐で束ねて所定の場所に置きます!)
雑誌類、カートン類、それぞれ月に1度だけの回収なので、
その日にちを忘れてしまうと、大変!
これも主婦の大切な仕事の一つなのです。
先日同じ町に住む知人から聞いた話しによれば、
①「紙箱・ダンボール等のカートン」の収集と、
②「雑誌・新聞」類の収集
は別の方式で、
① は、その町の自治体か、町が提携している業者、
② の場合は、その町の各団体が持ち回りで作業を行っており、
先月の収集の際は、彼女のご子息も参加されている、
地元の “ボーイスカウト”の団体が作業を行う日だったそうで、
もちろん保護者等の大人のボランティアの管理下のもと、
そのボーイスカウトの団体が収集作業を行ったのだそうです。
これはスイスの社会奉仕の一環であり、
またその労働によって得た報酬が
所属する団体へと支払われるので、
団体運営の資金に加算されるのだとの事。
昨日は今月の 「新聞・雑誌の回収日」 でしたが、
子供たちも(ほぼ)ボランティアで参加する事があると聞き、
今まで何気に束ねていた雑誌や新聞も、
持ちやすいように、
紐が緩んだりして、誤ってけがをしないように・・・
束ねるこちらの紐の縛り方にも、自然と力が入りました。
スイスでは、
小学校低学年くらいにしか見えない小さな子供たちが、
保護者の指導・管理の下、
バザーに参加したり、街頭でチョコレートを配ったり、
社会活動に参加している姿をよく見かけるのですが、
こんな小さな子供の頃から社会奉仕に参加する、
参加させる意識の高いスイスって、
やっぱりすごいなーと、つくづく感じてしまう私なのです。
ハイチ大地震の被災者の方々への義援金をほんの数日で、
総額約25,2ミリオンフラン(日本円で約22億円)
という多額の募金で集めた
スイスの人達の社会奉仕への関心も、
子供の頃から携わっているこの国ならでは・・・で、
何となく理解出来るような気がしています。
次回、スイスのエコ 2へと続きます。
(注)スイスでは法律やルールが各州(この州を “カントン” と呼びます)
によって異なり、上記はすべて現在私が住んでいる、カントン・チューリッヒ(チューリッヒ州)の、ある町のケースです。